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切梁には大きく2つの役割があります。
それぞれ詳しく確認していきましょう。
切梁には大きく2つの役割があります。
それぞれ詳しく確認していきましょう。
切梁とは、山留め工事において腹起し(はらおこし)を水平方向に支える部材のことです。建物の地下部分を掘削するとき、周囲の土が崩れてこないように壁(山留め壁)を設けます。しかし壁だけでは土の圧力(土圧)に負けて内側に倒れてしまいます。そこで掘削空間の内側から突っ張り棒のように切梁を架け、壁の変形を防ぎます。川崎市の土木工事解説資料でも「突っ張り棒の役割である切梁を架けながら内側を掘り進める」と説明されています。
出典:川崎市|地下工事の山留め解説資料
切梁と腹起しはセットで使われる仮設部材ですが、役割がまったく異なります。腹起しとは、山留め壁に沿って水平に取り付けられる横架材です。壁面にかかる土圧を面で受け止め、切梁へ力を集約して伝える働きをします。切梁はその腹起しを受け取った力を、掘削空間の反対側の壁まで伝達して打ち消します。2つの関係を整理すると以下のとおりです。
| 部材 | 役割 |
|---|---|
| 腹起し(はらおこし) | 山留め壁に沿って取り付ける横架材。土圧を面で受け止め切梁に伝える |
| 切梁(きりばり) | 腹起しを水平に支える部材。掘削空間の両壁の間で突っ張り棒になる |
切梁の設置方法にはいくつかの形式がありますが、最も広く使われているのが「水平切梁工法」です。ここでは水平切梁工法の仕組みと、火打ちとの関係を説明します。
水平切梁工法とは、切梁を格子状に組み合わせて水平面内の座屈を防ぎ、交差部に棚杭(たなぐい)を打設して面外座屈を防ぐ工法です。最もオーソドックスな山留め支保工(しほこう)の方法で、地下工事の規模や深さに応じて切梁を多段に設置します。切梁の間隔は地盤の種類や掘削深さによって変わりますが、一般的に水平間隔は3〜5m程度が標準的です。掘削が深くなるにつれて切梁の段数を増やしながら掘り進めます。
出典:ヒロセ株式会社|水平切梁工法の解説
火打ち(ひうち)とは、腹起しの隅部(コーナー部)に斜めに取り付ける補強部材です。掘削平面が長方形の場合、四隅のコーナー付近では腹起しへの力が集中しやすくなります。火打ちを設置することで、コーナー付近の腹起しのスパンを短くし、変形を防ぎます。切梁・腹起し・火打ちの3つが組み合わさることで、山留め支保工全体として土圧に抵抗する構造が完成します。
切梁は単純に架けるだけではなく、設置の順序と管理が施工の安全性を左右します。ここでは設置の流れとプレロードの意味を説明します。
切梁の設置は、掘削と交互に進める順序が基本です。まず山留め壁を構築し(親杭横矢板工法・鋼矢板工法など)、一定深さまで掘削します。次に腹起しを山留め壁に取り付け、切梁を架けてプレロードをかけます。その後さらに掘削を進め、必要に応じて切梁を多段に追加します。掘削が深くなるほど土圧が大きくなるため、切梁の段数を増やしながら段階的に掘り進めることが重要です。
プレロードとは、切梁を設置した後に、あらかじめ荷重(軸力)を与えておく処置のことです。切梁を架けただけでは、部材と腹起しの間にわずかな隙間が残る場合があります。その隙間があると、土圧がかかったときに山留め壁がわずかに変形してしまいます。プレロードを導入することで、切梁を初めから圧縮状態にしておき、山留め壁の変形量を最小限に抑えます。近隣の建物への影響が懸念される都市部の工事では、特に重要な管理項目です。
掘削が完了して地下構造物(基礎・地下階など)が完成すれば、構造物自体が土圧に抵抗できるようになります。そのため切梁は恒久的な部材ではなく、工事中だけ使用する「仮設部材」として扱われます。工事完了後は解体・撤去されます。
腹起しが先です。山留め壁に沿って腹起しを取り付けた後、その腹起しを支えるように切梁を架けます。腹起しが土圧を受け止めて切梁に伝える仕組みのため、腹起しなしに切梁を設置することはできません。
切梁の水平間隔は、腹起しの許容曲げ応力や地盤の土圧条件をもとに構造計算で決定します。一般的には水平間隔3〜5m程度が多く使われています。また鉛直方向の間隔(段数)は掘削深さと地盤の強度によって変わります。
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