築堤盛土(ちくていもりど)とは?盛土との違いと施工のポイント

「築堤盛土って盛土と何が違うの?」河川工事に携わる方や施工管理の試験勉強をしている方がよく抱く疑問です。築堤盛土(ちくていもりど)は堤防を造るための盛土工事で、一般的な盛土よりも高い品質基準が求められます。この記事では、定義・盛土との違い・締固めの施工ポイント・関連用語まで実務に役立つ知識をまとめて解説します。

目次

築堤盛土(ちくていもりど)とは

築堤盛土(ちくていもりど)とは、堤防を築造するために土砂を積み上げて締め固める盛土工事のことです。河川の洪水氾濫を防ぐ堤防は、土砂を盛り固めることで造られており、その施工行為を「築堤盛土」と呼びます。1級土木施工管理技士の試験でも頻出の用語で、河川工事に携わる技術者が必ず理解しておくべき概念です。

築堤盛土の定義

築堤盛土とは、河川堤防を整備するために土砂を積み上げ、転圧・締め固めによって堅固な堤体を形成する盛土工事を指します。国土交通省国土技術政策総合研究所(NILIM)の定義によれば、堤防とは「洪水を氾濫させないために、左右岸に築造した盛土(土を盛り固めた)のこと」です。つまり堤防そのものが築堤盛土によって造られる土構造物です。

出典:国土交通省国土技術政策総合研究所(NILIM)|堤防

築堤(ちくてい)と盛土(もりど)の関係

「築堤」と「盛土」は密接に関係しますが、意味の範囲が異なります。盛土は「低い地盤に土を積み上げて地盤面を高くする工法」全般を指す広い言葉です。築堤は「堤防を築造すること」という目的を示す言葉です。築堤盛土はこの2つが合わさった用語で、「堤防を築造するための盛土工事」という意味になります。目的が堤防の築造に限定される点が、一般的な盛土との大きな違いです。

築堤盛土と一般盛土の違いとは

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築堤盛土は、道路や宅地造成のための一般的な盛土とは異なる品質基準と施工管理が求められます。堤防は洪水・浸水から人命・財産を守る構造物であるため、要求される品質水準が特に高くなっています。

築堤盛土に求められる品質

築堤盛土では、堤体の安定性・止水性・耐侵食性が求められます。堤防は常に水圧や浸透水の影響を受けるため、盛土内部の透水性と強度のバランスが特に重要です。施工中・施工後の法面(のりめん)の安定も管理対象で、施工中も法面の一部が崩れないよう注意が必要です。品質管理試験として、締固め度の確認(現場密度試験)が欠かせません。

盛土材料の選定

築堤盛土に使用する土砂は、締固めやすく、かつ適切な透水性・せん断強度を持つ材料を選定します。有機物・腐植土・膨張性の高い材料は適さず、砂質土や礫質土が望ましい材料とされています。河川砂防技術基準では、盛土材料の選定・試験方法について基準が定められており、現場での土質確認が施工前の重要なステップです。

出典:国土交通省|河川砂防技術基準

築堤盛土の施工方法

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築堤盛土の施工では、締固めの方向・巻出し厚・転圧回数の管理が品質を左右します。1級土木施工管理技士の試験でも出題されるポイントで、現場での実践的な知識として押さえておく必要があります。

締固めの方向と施工手順

築堤盛土の締固めは、堤防法線(堤防の中心線)に平行な方向で行うことが望ましいとされています。締固め幅が均一になるよう重複させながら施工することで、法線方向の均質な締固めを確保します。法線に対して直角方向に転圧すると、締固めの均一性が損なわれる可能性があります。また、施工中は法面(斜面)の一部が崩れないよう、仮法面の形成と安定管理が欠かせません。

巻出し厚と転圧の考え方

巻出し厚(まきだしあつ)とは、1層分の盛土を敷き均す厚さのことです。巻出し厚が厚すぎると締固めが内部まで届かず、品質不足の原因になります。一般的な築堤盛土では、使用する転圧機械の性能に応じて巻出し厚を設定し、規定の締固め度(乾燥密度比)を確保できる転圧回数を試験施工で確認します。品質管理試験(現場密度試験)で締固め度が基準値を満たすことを確認してから、次の層の盛土に進みます。

築堤に関連する用語とは

築堤盛土を理解するうえで、関連する用語もあわせて押さえておくと現場での会話がスムーズになります。

破堤(はてい)と嵩上げ(かさあげ)

破堤(はてい)とは、洪水などによって堤防が決壊することを指します。築堤(堤防を築くこと)の反対の事態であり、重大な水害につながります。

嵩上げ(かさあげ)とは、既設の堤防の上にさらに盛土をして堤防を高くする工事のことです。築堤が新たに堤防を造る行為であるのに対し、嵩上げは既存堤防の高さを増す行為です。洪水対策の強化や計画高水位の見直しに伴って嵩上げが行われます。

出典:国土交通省国土技術政策総合研究所(NILIM)|築堤

築堤護岸とは

築堤護岸(ちくていごがん)とは、築堤盛土によって造られた堤防の法面(斜面)を、流水の侵食や波浪から守るために設置する護岸工のことです。堤体の土砂が水流によって削られることを「侵食(しんしょく)」といい、これを防ぐためにコンクリートブロックや石積みで法面を覆います。築堤盛土と築堤護岸はセットで計画・施工されることが多く、両者が連携して堤防の安全性を確保します。

まとめ|築堤盛土(ちくていもりど)を正しく理解して現場に活かす

築堤盛土(ちくていもりど)とは、堤防を築造するために土砂を積み上げて締め固める盛土工事のことです。目的が堤防の築造に限定される点が一般的な盛土との違いで、止水性・安定性・耐侵食性という高い品質基準が求められます。施工では堤防法線に平行な締固めと適切な巻出し厚の管理が重要です。破堤・嵩上げ・築堤護岸など関連用語とあわせて理解することで、河川工事の全体像をより深く把握できます。

築堤盛土の締固めはなぜ堤防法線に平行に行うのですか?

堤防法線に平行に締固めを行うのは、締固め幅を重複させながら均質に転圧できるためです。法線と直角方向に転圧すると、端部の締固めが不均一になりやすく、堤体の品質にばらつきが生じる可能性があります。均質な締固めが堤防の安全性確保の基本となります。

築堤盛土に使えない土砂材料はありますか?

有機物を多く含む腐植土、体積変化が大きい膨張性粘土、含水比が高くて締固めが困難な軟弱な土は築堤盛土に適しません。これらを使用すると堤体の強度不足や沈下の原因になります。砂質土や礫質土など、締固めやすく適切なせん断強度を持つ材料を選定することが重要です。

築堤と嵩上げはどう違いますか?

築堤は新たに堤防を造る工事のことです。嵩上げは既設の堤防の上にさらに盛土を行い、堤防の高さを増す工事です。目的は同じく洪水防御ですが、築堤は新設、嵩上げは既設堤防の改修という点で異なります。洪水対策の見直しや計画高水位の変更に伴い、嵩上げが実施されます。

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この記事を書いた人

売上げ30億円規模の建設会社で11年間施工管理従事。億越えの土木公共工事を数多く竣工。2024年Liftco合同会社設立、代表として元請土木建設会社の書類支援サービスを展開しながら、SEOライティングでマーケティングやリクルート支援を行う。

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