コンクリート養生3日の強度で足りない?脱型に必要な強度と養生期間の数え方を解説

  • 型枠脱型強度って3日でいいの?
  • 強度の確認方法ってどうすればいいの?
  • 供試体の本数って何本採ればいいの?

JIS規格の生コンクリートを使用していたら養生期間3日で脱型可能になります。

ただし、脱型しても良い部分ダメな部分と分かれてるため注意が必要です。

この記事では、生コンクリート型枠脱型強度3日の根拠と強度の確認方法などを紹介していきます。

この記事を読むことで、自信をもってコンクリート管理することができます。

目次

なぜ型枠脱型が3日でいいのか?

型枠脱型作業

結論、型枠脱型に必要な期間は、施工後中3日で行っても大丈夫です。

なぜなら、コンクリートの取り扱いについて詳しく、コンクリート標準示方書に記されているからです。

ここでは、生コンクリート3日強度で大丈夫な根拠や3日では脱型してはいけない部分について詳しく解説していきます。

生コンクリート3日強度の根拠

生コンクリート打設後、中3日で脱型しても良い根拠として、コンクリート標準示方書(施工編)より以下のような記載されています。

スクロールできます
部材面の種類コンクリートの圧縮強度
(N/mm2 )
厚い部材の鉛直または鉛直にちかい面,傾いた上面,小さいアーチの外面フーチングの側面3.5
薄い部材の鉛直または鉛直にちかい面,45°より急な傾きの下面,小さいアーチの内面柱,壁,はりの側面5.0
橋,建物等のスラブおよびはり,45°よりゆるい傾きの下面スラブ,はりの底面,
アーチの内面
14.0
参考:コンクリート標準示方書(施工編)

フーチングのように厚い部材にあたっては、「3.5N/mm2」の強度で脱型可能。

薄い部材に関しては、「5.0N/mm2」の強度で脱型可能となっています。

この強度「5.0N/mm2」は温度15℃で養生した場合、推定日数が3日で確認できるようになっているからです。

生コンクリートはJIS規格のため、推定日数が大きくズレることはありません。

実際に、σ3(養生期間3日)の供試体を採取して、圧縮強度を確かめてから作業することをおすすめします。

≫コンクリート強度の確認方法は後述しています。

コンクリート3日強度でも脱型してはいけない部分

Support
型枠支保工

基本的には、脱型強度3日(5N/mm2)で大丈夫です。しかし、まだ脱型してはいけない部分があります。

それが、支保工が必要になる(45°よりゆるい傾き)部分です。

先ほど紹介した、コンクリート標準示方書(施工編)の表を見てみましょう。

スクロールできます
部材面の種類コンクリートの圧縮強度
(N/mm2 )
厚い部材の鉛直または鉛直にちかい面,傾いた上面,小さいアーチの外面フーチングの側面3.5
薄い部材の鉛直または鉛直にちかい面,45°より急な傾きの下面,小さいアーチの内面柱,壁,はりの側面5.0
橋,建物等のスラブおよびはり,45°よりゆるい傾きの下面スラブ,はりの底面,
アーチの内面
14.0
参考:コンクリート標準示方書(施工編)

一番下に記されている通りスラブやはりの底面などは強度「14.0N/mm2」以上必要であることがわかります。

この「14.0N/mm2」の強度はコンクリート養生期間5日で達します。

工事内容に支保工がある場合、圧縮強度試験σ5を検討しましょう。

コンクリート3日強度の確認方法

Concrete specimen
コンクリート供試体

ここでは、コンクリート養生期間3日の強度を確認する方法について解説します。

主に行う試験は2つです。

それは、「生コンクリート受け入れ試験」と「コンクリート圧縮強度試験」です。

この2つの試験を行うことで、コンクリート工事を進めることができます。

では早速詳しく解説していきます。

生コンクリート受入れ試験

Ready-mix-concrete-acceptance-test
生コンクリート受入れ試験

生コンクリートの工事をする際は、受入れ試験を実施しなければなりません。

生コンクリート受入れ試験は、設計通りの規格に収まっているのかを確認するために行う試験です。

主に「スランプ」「空気量」「コンクリート温度」を測定します。

例えば、18-8-40のコンクリートを注文したとします。

この場合スランプ「18」呼び強度「8」スランプ「40」粗骨材の最大粒径となっています。

なので、スランプ8cm(±2.5)のものでなければ、施工できません。

空気量は、4.5%(±1.5)の規格となっています。※JIS A 5308より抜粋

もし、規格外の生コンクリートが来てしまった場合は、練り直しを行わなければなりません。

この試験の際に供試体を採取し本数を確認して、圧縮強度試験に臨む流れになります。

供試体の本数の写真が重要になるので必ず撮るようにしてください。

圧縮強度試験

Compressive-Strength-Test
コンクリート圧縮強度試験

コンクリートの強度確認は圧縮強度試験を行います。

圧縮強度試験は、生コンクリート受入れ試験の時に採取した供試体を用います。

通常材令7日と28日の2回圧縮強度試験を行うため、供試体は6本必要です。

もし打設対象は重要構造物(RC配合(N))なら、3日、5日、7日、10日、28日の計5回実施することになるでしょう。

  • 3日:型枠脱型強度
  • 5日:支保工解体強度
  • 10日:埋戻し強度

この圧縮強度試験の結果、コンクリート現場養生3日の強度5N/㎣」を確認することになります。

国土交通省開発建設部標準仕様書では、コンクリートの圧縮強度試験の規格は以下の通りです。

1回の試験結果は指定した呼び強度の85%以上であること。
3回の試験結果の平均値は、指定した呼び強度以上であること。
(1回の試験結果は、3個の供試体の試験値の平均値)

参照:国土交通省|北海道開発局

この圧縮強度試験の結果、呼び強度の合否を確認した後に施工を進めてもよいということになります。

まとめ:コンクリートは打設後3日で打設しても大丈夫

生コンクリートの養生期間3日で脱型しても大丈夫です。

なぜなら、先にも述べたようにコンクリート標準示方書(施工編)にしっかり記されているからです。

とはいえ、支保工が必要になる(45°よりゆるい傾き)部分については、脱型を行ってはいけません。

最低でも養生期間5日の経過が必要です。

他にも生コンクリートの管理のことで質問があるという方はいつでもお問い合わせください。

ココナラで書類作成のサポートや電話相談サービスを受け付けています。

いつでもお気軽にお問い合わせください。ココナラ内で「なみ建設」と検索してみてください。

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この記事を書いた人

売上げ30億円規模の建設会社で11年間施工管理従事。億越えの土木公共工事を数多く竣工。2024年Liftco合同会社設立、代表として元請土木建設会社の書類支援サービスを展開しながら、SEOライティングでマーケティングやリクルート支援を行う。

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