突堤(とってい)とは?土木の専門用語をわかりやすく解説!

突堤(とってい)とは、海岸や河川から垂直または斜めに伸びる人工構造物のことです。海岸侵食の防止や土砂の移動制御を主な目的として設置されます。

突堤は海岸線から海へ突き出す形状で、コンクリートや石材などの堅固な材料で作られています。英語では「groin」または「groyne」と呼ばれます。

主な役割は、波の流れを変えて沿岸流による砂の移動を制御することです。これにより海岸侵食を防止し、砂浜を保全します。また、波のエネルギーを分散させて背後の海岸や施設を保護する効果もあります。

突堤は海岸侵食が進む地域や観光地の砂浜保全が必要な場所に多く設置されています。日本では太平洋側や日本海側の波の強い海岸に多く見られます。

目次

突堤と防波堤の違い

突堤(とってい)と防波堤は共に海岸保全の重要な構造物ですが、目的や構造に違いがあります。それぞれの特徴を比較しながら解説します。

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比較項目突堤(とってい)防波堤
設置方向海岸線から海へ向かって垂直または斜め海岸線に対して平行、または港を囲むように弧状
主な目的海岸侵食の防止と土砂の移動制御港湾や船舶を波から守る、波浪の軽減
構造比較的細長い構造物幅広く堅牢な構造
設置場所海岸線の一部、複数設置することも多い港の外側を取り囲むように設置
効果範囲設置された海岸周辺(特に上流側)防波堤で囲まれた水域全体
長さ数十〜百メートル程度が一般的より長く、数百メートル以上になることも
主な機能沿岸流による砂の移動を制御外海からの波を遮断して港内を静穏に保つ

このように、突堤と防波堤は外見が似ていても、設置方向や目的、構造、効果範囲などに明確な違いがあります。それぞれの特性を理解し、目的に応じて適切に設置することが重要です。

突堤と桟橋の違い

突堤(とってい)と桟橋はどちらも海や川に突き出す構造物ですが、目的や機能に大きな違いがあります。それぞれの特徴を比較しながら解説します。

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比較項目突堤(とってい)桟橋
主な目的海岸侵食の防止と土砂の移動制御船舶の停泊や人の乗り降りを可能にする
構造海底から海面上まで連続した堅固な構造物海面より上の床と、それを支える杭で構成
材料コンクリートや石材が主体木材、鉄、コンクリートなど多様
主な機能波や流れに抵抗し、それらの力を変化させる人や物の移動を支援する
設置場所砂浜や海岸部(保全が必要な場所)港湾、観光地、釣り場など人や船が利用する場所
水の流れ水の流れを遮断・変更する水が下部を通過できる構造が多い
目的の性質防災・保全的交通・運輸的

このように、突堤と桟橋は外見が似ていても、様々な面で明確な違いがあります。それぞれの特性を理解し、目的に応じて適切に使い分けることが重要です。突堤は海岸環境の保全に、桟橋は海上交通の利便性向上に貢献しています。

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この記事を書いた人

売上げ30億円規模の建設会社で11年間施工管理従事。億越えの土木公共工事を数多く竣工。2024年Liftco合同会社設立、代表として元請土木建設会社の書類支援サービスを展開しながら、SEOライティングでマーケティングやリクルート支援を行う。

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