【初心者向け】法面とは?種類と勾配をやさしく解説

図面や工事現場で「法面」という言葉を見かけても、正確な意味まで説明するのは難しいと感じていませんか。

この記事では、法面の意味や読み方を、土木の知識がない方にもわかるように整理しました。

法面と斜面の違い、各部の名称、勾配の表し方、斜面を守る保護工の種類まで、ひと通り理解できます。

目次

法面(のりめん)とは?意味と読み方

法面とは、切土や盛土によって人工的につくられた斜面のことです。工事でできた斜面は、自然のままの斜面と区別して管理する必要があります。

まずは読み方と基本の意味、そして似た言葉との違いから確認していきます。

法面の読み方と基本的な意味

法面は「のりめん」と読みます。土木や建築の現場で日常的に使われる言葉です。意味は、切土や盛土でできた人工の斜面を指します。たとえば山を削って道路を通すと、道路の両側に傾斜した面が生まれます。田んぼを一段高く造成すれば、その縁にも傾斜面ができます。こうしてできた面が法面です。読み方を間違えると現場で意思疎通がうまくいかないため、「のりめん」と正しく覚えておきましょう。

法面と斜面の違い

法面と斜面の違いは、人の手が加わっているかどうかです。斜面は、自然にできた傾斜地も含めた傾きのある面全般を指します。一方の法面は、工事によって人工的につくられた斜面に限られます。たとえば、もともと山にあった傾斜地は斜面です。その山を削って造成した傾斜面は法面です。同じように傾いていても、できた経緯によって呼び方が変わります。

法面の各部名称(法肩・法尻・小段)

法面には、部位ごとに決まった名前があります。現場の指示や図面を正しく読むために、次の3つは押さえておきたい用語です。

  • 法肩(のりかた):法面のいちばん上の端
  • 法尻(のりじり):法面のいちばん下の端
  • 小段(こだん):法面の途中に設けた平らな部分

それぞれ説明していきます。

法肩・法尻とは

法肩は法面の上端、法尻は法面の下端を指します。位置を区別して呼ぶことで、現場での指示が正確に伝わります。

たとえば「法肩を保護する」と言えば斜面の上の縁の作業を、「法尻に水路を設ける」と言えば斜面の下の作業を意味します。法肩は法頭(のりがしら)、法尻は法先(のりさき)と呼ばれることもあります。呼び方の違いを知っておくと、複数の現場でも戸惑わずに対応できます。

小段とは

小段とは、高い法面の途中に設けられる水平な平場のことです。斜面が高く長くなるほど、雨水が表面を勢いよく流れ、崩れる原因になります。

そこで途中に平らな部分をつくり、水の流れをいったん受け止めて斜面を安定させます。小段は、点検や補修のための通路としても使われます。背の高い法面ほど、小段が果たす役割は大きくなります。

法面の勾配の表し方

法面の傾きは「勾配」で表します。勾配の書き方には決まった形式があり、覚えておくと図面がぐっと読みやすくなります。

代表的な2つの表し方を見ていきます。

勾配は「1:〇」で表す

法面の勾配は、垂直方向の長さを1としたときの水平方向の長さの割合で示します。

たとえば「1:2」は、垂直に1上がるあいだに水平へ2進む傾きを意味します。数字が大きいほど傾きはゆるやかになります。逆に「1:0.5」のように数字が小さいと傾きは急になります。

図面ではこの比率で勾配が指定されるため、読み方を覚えておくと斜面の急さをすぐにイメージできます。

「〇割」という呼び方

現場では勾配を「〇割(わり)」と呼ぶこともあります。これは「1:〇」の水平方向の数字をそのまま読んだ言い方です。

たとえば「1:2」の勾配は「2割勾配」と呼ばれます。「1:1.5」なら「1割5分」です。図面の表記と現場の口頭表現がつながると、指示の意味を取り違えずにすみます。両方の言い方を知っておくと、ベテランとの会話にもついていけます。

法面を守る「法面保護工」の種類

法面は、雨水や風化の影響を受けると崩れやすくなります。そこで斜面の表面を保護する工事が行われ、これを法面保護工と呼びます。法面保護工は、大きく「植生工」と「構造物による保護工」の2つに分けられます。

スクロールできます
種類特徴主な工法の例
植生工植物の力で表面を守る。自然環境となじみやすい種子散布工、張芝工、植生マット工
構造物による保護工即効性が高く、強い保護効果があるモルタル吹付、コンクリート枠、擁壁

それぞれの中身を見ていきます。

植生工

植生工とは、植物を育てて法面の表面を守る工法です。草や芝が根を張ることで、表面の土が雨水で流れにくくなります。

たとえば種子散布工は、種と肥料を水に混ぜて斜面に吹き付ける方法です。張芝工は、芝を斜面に直接張り付ける方法で、施工と同時に保護の効果が出ます。植生工は景観になじみやすく、周囲の自然と調和した仕上がりになる点が特徴です。

構造物による保護工

構造物による保護工とは、コンクリートなどの材料で法面を覆って守る工法です。

植物では支えきれない急な斜面や、土の圧力がかかる場所で選ばれます。土圧があまりかからない場合は、モルタルやコンクリートの吹付け、枠を組む工法が使われます。土圧が大きい場合は、擁壁やアンカーで斜面を押さえます。斜面を覆って仕上げる工事については、法覆工(のりふくこう)とはもあわせて確認してください。

出典:農林水産省|土地改良事業設計指針 切土工及び法面保護工の設計

法面と斜面はどう違いますか?

斜面は自然にできた傾斜地も含む言葉ですが、法面は切土・盛土など工事によって人工的につくられた斜面に限られます。同じ傾きがあっても、人の手が加わったかどうかで呼び方が変わります。

法面の勾配はどのように決まりますか?

法面の勾配は土質・掘削深さ・盛土高さなどをもとに設計で決定されます。切土では地盤の強度、盛土では材料の締固め状態が基準になります。設計書や図面に「1:1.5」などの比率で記載されます。

法面保護工はどの工法を選べばよいですか?

植生工は景観となじみやすく比較的緩やかな斜面に向いています。急勾配や土圧がかかる場所ではモルタル吹付や擁壁などの構造物工が選ばれます。地質・勾配・環境条件を総合して設計者が選定します。

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この記事を書いた人

売上げ30億円規模の建設会社で11年間施工管理従事。億越えの土木公共工事を数多く竣工。2024年Liftco合同会社設立、代表として元請土木建設会社の書類支援サービスを展開しながら、SEOライティングでマーケティングやリクルート支援を行う。

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