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「土地の面積を、座標だけでさっと出せたらいいのに」現場でそう感じたことはありませんか。
座標法は、境界点の座標値から面積を直接計算できる、用地測量の定番の方法です。公式は少し複雑に見えますが、やることは掛け算と足し算だけ。
この記事では、座標法の公式と手順、実際の座標を使った計算例、そしてミスを防ぐコツまでを、順を追ってやさしく解説します。

座標法は、土地の各頂点の座標値から面積を直接求める方法です。用地測量や境界確定の現場で、いま最も使われている求積法といえます。まずは座標法がどんな方法か、なぜ選ばれているのかを整理します。
座標法は、座標値だけで面積を計算できるため、実務の標準になっています。測量では境界点を平面直角座標系の座標値で管理します。その座標をそのまま計算に使えるので、図面上で長さを測り直す必要がありません。四則演算だけで答えが出るため、余計な誤差が入りにくいという利点もあります。地籍調査でも、境界点の位置を座標値で管理することが基本とされています。境界点AからDまでの座標がわかれば、電卓や表計算ソフトで面積を出せます。だから座標法は現場で信頼されています。
出典:__国土交通省|地籍調査Webサイト__
三斜法は長さを測る方法、座標法は座標を使う方法です。三斜法は多角形を三角形に分け、底辺と高さを図面から読み取って面積を求めます。三辺法は三角形の三辺の長さから計算します。どちらも長さの測定値に頼るため、読み取り誤差が入りやすい面があります。一方、座標法は座標値だけで計算するので、測る作業が減ります。三つの方法を並べると、違いがはっきりします。正確さと手間の少なさで、座標法が選ばれています。
| 求積法 | 使うデータ | 特徴 |
|---|---|---|
| 座標法 | 各点の座標(X, Y) | 四則演算のみ・誤差が入りにくい |
| 三斜法 | 底辺と高さ | 図面から長さを読み取る |
| 三辺法 | 三角形の3辺の長さ | 辺長の測定が必要 |

座標法の中心となるのが「倍面積」を使う公式です。式は一見むずかしそうですが、やることは掛け算と足し算だけです。ここで公式の形と意味を押さえます。
倍面積とは、面積の2倍にあたる値のことです。座標法の公式では、まず各点について「Xの値 ×(1つ次の点のY − 1つ前の点のY)」を計算します。その総和が、ちょうど面積の2倍になります。これを倍面積(2S)と呼びます。最後に2で割ると、面積Sが求まります。式で書くと、次のようになります。
2S = Σ Xi ×(Y(i+1) − Y(i−1))
S = 2S ÷ 2
なぜ2倍になるかというと、公式が三角形の面積を「底辺×高さ」の形で足し合わせているためです。
座標法は、数学でいうシューレースの公式と同じものです。シューレースの公式は、多角形の頂点座標から面積を求める式で、ガウスの面積公式とも呼ばれます。式は S = 1/2 ×|Σ(Xi×Y(i+1) − X(i+1)×Yi)|です。座標を順にたすき掛けする形が、靴ひもを交差させる様子に似ていることが名前の由来です。倍面積法とは書き方が違うだけで、答えは一致します。点を一周させて、最後に最初の点へ戻すのが共通のルールです。

公式がわかったら、計算表に沿って進めると迷いません。座標法は、手順を固定すると計算が安定します。ここでは5つのステップに分けて示します。
座標法は「表を作って埋める」だけで計算できます。手順は次の5つです。まず、頂点を一周する順番に並べます。次に、最後へ最初の点をもう一度書いて図形を閉じます。そして各点で「1つ次のY − 1つ前のY」を求めます。さらに、その値にXを掛けて倍面積の項を作ります。最後に、すべての項を合計して2で割ります。合計がマイナスになったら絶対値を取ります。この順番を守れば、点の数が増えても同じやり方で計算できます。
| ステップ | 作業内容 |
|---|---|
| 1 | 頂点を一周の順に並べる |
| 2 | 最後に最初の点を書いて閉じる |
| 3 | 各点で「次のY − 前のY」を計算 |
| 4 | Xを掛けて倍面積の項を作る |
| 5 | 合計して2で割る(負なら絶対値) |

実際に座標を入れて計算すると、理解が深まります。ここでは4つの点でできる土地を例に、倍面積から面積を求めます。次の四角形ABCDの座標を使います。
| 点 | X | Y |
|---|---|---|
| A | 10 | 0 |
| B | 50 | 0 |
| C | 50 | 30 |
| D | 10 | 50 |
各点で「X ×(次のY − 前のY)」を計算します。表の順番は、A→B→C→D→Aと一周させます。Aの前の点はD、次の点はBです。この関係で「次のY − 前のY」を求め、Xを掛けます。全ての点で同じ計算を繰り返し、最後に合計します。この合計が倍面積になります。
| 点 | X | Y | 次のY − 前のY | X ×(次のY − 前のY) |
|---|---|---|---|---|
| A | 10 | 0 | 0 − 50 = −50 | 10 × (−50) = −500 |
| B | 50 | 0 | 30 − 0 = 30 | 50 × 30 = 1,500 |
| C | 50 | 30 | 50 − 0 = 50 | 50 × 50 = 2,500 |
| D | 10 | 50 | 0 − 30 = −30 | 10 × (−30) = −300 |
| 合計(倍面積2S) | 3,200 |
倍面積を2で割ると、面積が出ます。先ほどの合計は3,200でした。これが倍面積2Sです。面積Sは、次の計算で求まります。
S = 3,200 ÷ 2 = 1,600(㎡)
この土地の面積は、1,600平方メートルとわかりました。念のため確かめます。この四角形は、X=10の辺の高さが50、X=50の辺の高さが30の台形です。台形の面積は「(上底+下底)÷2×幅」で計算でき、(50+30)÷2×40=1,600となります。座標法の答えと一致しました。合計がプラスの値だったので、点が正しい向きに並んでいたこともわかります。

座標法は手順が決まっている分、ミスの原因も限られます。よくあるつまずきと、その防ぎ方を知っておくと安心です。ここでは3つのコツを紹介します。
合計の符号は、計算ミスを見つけるセンサーになります。点を反時計回りに並べると、倍面積の合計はプラスになります。時計回りだとマイナスになります。向きが決まっているのに符号が想定と逆なら、どこかで入力を間違えています。また、最後に最初の点へ戻して図形を閉じ忘れると、答えが合いません。計算の前に「一周して閉じているか」を必ず確認します。符号と閉合の2点を見るだけで、多くのミスに気づけます。
座標の桁が大きいときは、原点をずらすと計算が軽くなります。実際の測量では、座標値が何万メートルという大きな数になります。そのまま掛け算すると桁が多く、手計算では間違えやすくなります。そこで、すべての点から同じ値を引いて、座標を小さくします。図形の形も面積も変わらないため、答えは同じです。計算しやすい数字にしてから求積すると、ミスを減らせます。
点数が多いときは、ツールに任せると確実です。座標法は四則演算だけなので、表計算ソフトと相性が良い方法です。X列とY列に座標を入れ、公式を1行だけ組めば、点数が増えても自動で計算できます。専用の求積ツールを使う手もあります。手計算は仕組みの理解に役立ちますが、実務では検算も兼ねて、ツールを併用すると安心です。
理論上は、同じ土地なら座標法でも三斜法でも面積は一致します。ただし三斜法は図面から長さを読み取るため、読み取り誤差で値が少しずれることがあります。座標法は座標値をそのまま使うので、誤差が入りにくい方法です。より正確さを求める場面では、座標法が向いています。
どちらでも面積は求められます。反時計回りだと倍面積の合計がプラス、時計回りだとマイナスになるだけです。最後に絶対値を取れば、どちらの向きでも正しい面積が出ます。向きをそろえておくと、符号でミスを確認しやすくなります。
座標法は、各頂点の座標値があることが前提の方法です。座標がない場合は、測量で境界点の座標を求めてから計算します。座標が用意できないときは、三斜法や三辺法など、長さを使う方法を選びます。まず、手元のデータが座標か長さかを確認するとよいです。
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